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2008.04.15 (Tue)

究極のダジャレ王?

今学期の講読クラスで読んでいるステファノ・ベンニは、
ベストセラー作家で、イタリア人なら誰でも知っているほど有名なのに、
日本語には一冊くらいしか翻訳されておらず、そのせいもあって日本では殆ど知られていません。
もちろん私も、このクラスのテキストを手にするまでは名前も聞いたことはありませんでした。。(^^ゞ

「日本でイタリア語を勉強して、それなりにイタリア語を習得しても、
イタリアで愛されている作家を知りもしないというのは憂うべき事態なのでは・・・?」
というのが、先生たちが今回ステファノ・ベンニをテキストに選んだ背景のようです。

BAOL

さて、講読の授業も2回終了しました。
前にもチラッと触れましたが、辞書に載っていない言葉が多くて、
授業前に予習していても、意味が分からない箇所がたくさん残ってしまうのですが、
授業で先生の解説を聞くと、謎が一気に解けてスッキリ!します。
このスッキリ感は、クラス全員が感じているようで、二回目の授業では、
同じ箇所で「そういうことか~」とか「へー」とか、あらゆる声が一斉にこぼれました(笑)

辞書に載っていない言葉は、ステファノ・ベンニの造語なのですが、
これが結構奥が深いというか、面白い言葉遊びみたいになっているのです。
こんなの先生の解説を聞くまで予想もしませんでしたが・・・。

ちょっと例を挙げてみますので、読んでみてください。
まだ殆ど文脈というほどのものない数ページ目の一節で、
気分が落ち込んだ時に、主人公がよく訪れるBarでの光景です。

Quando arrivo io c'e un'allegra brigata di gerarchetti e clarette che stanno
per andare a una qualche premiere.  I gerarchetti sono clarkopodi, ..(中略)
Le clarette hanno pantaloni di giaguardami e tigraffierei,......(以下略)

赤字にしてある単語は、辞書には載っていません。
こんな短い一節の中に、既に4つも不明な単語あったわけです。。(^^ゞ

まずclarette。
直前のgerarchettiが、gerarca((特にファシスト党の)リーダー)の縮小辞複数形なので、
claretteもそこに一緒にいる人たちだろうとは思ったのですが、
それ以上のことは自分では思いつきませんでした。
結論: clarette は、Claraの縮小辞(Claretta)の複数形でした。
さて、Claraって、誰だかわかりますか?
これだけですぐにピンと来た方は、知識と教養に溢れた方だと思います。
私は当然の事ながら、全然思い当たりませんでしたし、
それどころか、元々知らない人でした。。。(^^ゞ
このClaraは、ムッソリーニの愛人だったClara Petacciのことだったんです。
つまり、claretteというのは、リーダー格の男性たちにくっついて歩いている
愛人風な(?)女の人たちという造語だったわけです。

二つ目のclarkopodiというのは、男たちの描写として使われている単語ですが・・
これは、Clarks + podi(足)でつくった造語でした。
Clarks、日本でも売っている英国靴です。 
イタリア人にとっては、エレガントでスノッブな靴の代名詞(?)なんですね(笑)
そこに居た男たちが、気取った靴をはいていたということです。

giaguardamiとtigraffiereiは、女性たちの履いているパンツ(パンタロン)の説明。
どちらの単語も、よーく見ると、giaguaro(ジャガー)とtigre(トラ)をもじった感じです。
なるほど、ヒョウ柄・トラ柄のパンツってことか、と思いきや、それだけではありませんでした。
guardami(私を見て)と、ti graffierei(あなたを引掻いてしまいたいわ)まで隠れていたんです!
よくもまぁ・・こんな言葉遊びを思いつくものです。
ステファノ・ベンニって、究極のダジャレ王かもしれません。。。(笑)
彼の作品が、わずか一冊しか日本語に翻訳されていないというのも、妙に納得です。
これだけ隠れた意味があったら、原文の味わいを残した翻訳なんて無理ですよね。。。
脚注だらけの、ひどく読みにくい作品になりそうです。

他の箇所も、一事が万事こんな感じ(^^ゞ
一つの言葉に、複数の意味が込められていたり、
さりげなく皮肉が入り込んでたり・・・。


辞書を引いても載っていない単語が多々あるというのは、
学習者にとっては本当に大変ですが、先週の授業を受けてから
自分の中で一気に作品に対する印象が変わってきました。
結構楽しめるかも。。
ストーリーとは別に、隠れた暗号を解明していくような楽しみもありそうです(笑)

テーマ : イタリア語 ジャンル : 学問・文化・芸術

EDIT  |  11:41  |  イタリア語  |  CM(4)  |  Top↑

*Comment

うーん、難しいですね。マリアさんのご苦労が良く分かります。赤い文字は殆ど分かりませんでしたが、giaguardami については、ジャガーはだめでしたが、グワルダミについては、目にとまりました。でもこんな駄じゃれ(?)がイタリア人には理解されるのでしょうか?
Mammo |  2008.04.15(火) 20:10 |  URL |  【コメント編集】

ため息がでそうです。
難しいですね~。
私の印象では、これは読書というよりも、格闘に近いです。
戦っているmariaさん、Forza!!
(大げさですみません)

taccoalto |  2008.04.16(水) 10:35 |  URL |  【コメント編集】

■Mammoさん

こういうダジャレっぽい言葉遊び以外にも、韻を踏む工夫を凝らした表現があったり、言葉のリズムみたいなものにもこだわりがあるようです。 予習していても疑問だらけで難しいですが、逆に授業に行ってスッキリするのが今まで以上に楽しみになってしまいそうです。
maria |  2008.04.16(水) 12:52 |  URL |  【コメント編集】

■taccoaltoさん

確かに一種の格闘かもしれませんね(^^ゞ 先生が初回の授業でおっしゃったとおり、忍耐と想像力の試される半年間になりそうです。 もうちょっと物語展開が見えてくると、より一層楽しめるようになるとは思うのですが、今はまだストーリー自体はまったく見えてこないので・・・(^^ゞ ☆根気強く頑張ります!
maria |  2008.04.16(水) 12:56 |  URL |  【コメント編集】

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